シラノ・ド・ベルジュラック/エドモン・ロスタン

今日は『シラノ・ド・ベルジュラック』という劇の本、原作台本のお話。

この『お話』は、実在の人物がモチーフになっている劇(喜劇)。
実に大好きなお話のひとつで、
何度読んでも、胸がドキドキする。

発行されている本自体が台本だから、
動きも細かく描かれているので、
頭の中でシラノたちを演技させるのが、
とても楽しい。

いま手元にあるのは光文社古典新訳文庫ので、
以前に岩波文庫版を読んだ事を
すっかり忘れていて→劇を観に行き→
途中まで「どっかで見た話だな??」と思っていた、
というお茶目エピソードは置いておいて(笑

100年以上前の作品であるにも関わらず、
きっと今も、どこかで上演されている。

詩人であり哲学者、科学者、そして剣の達人であるシラノと、
彼の従姉妹で絶世の美女であるロクサーヌを中心とした恋愛喜劇だ。

シラノはロクサーヌの事が愛していて、
思いを打ち明けたいのだが、
シラノには大きな問題があった。

それは彼の顔が酷く醜いのである。
それ故に女性からの愛を受けたことはなく、
普通に接してくれる異性はロクサーヌのみ。

思いを伝え、ロクサーヌまで失うのが怖い。
そう思いながら、ずっと過ごしてきた。
ある日、シラノの隊に入隊した新人兵クリスチャンに、
ロクサーヌは恋をし、クリスチャンもまた…。

シラノは互いの思いを助けようとし、
またクリスチャンに自分を重ねて、
思いを詩にしてロクサーヌに届ける。

この作品で思うのは、ひとの言葉が生きているということ。
ロクサーヌは言葉を映った心に恋をし、
シラノの言葉は、心が映し出されている。

シラノの無二の友人であるル・ブレは誰よりも彼を思い、
同性であるとことを越え、愛しているようにも見える。

作品のあちこちに、ひとの心と言葉、
愛の形と、それぞれの価値観が散りばめられ、
様々な形が交錯し、それぞれの愛や言葉たちは、
話が進むにつれ、本物であると明かされていく。

シラノは他人から見れば勇気がある剣士、
けれども誇れるほど自分の心に勇気はなく、
詩をうたい賞賛される言葉たちは、
自分の「心」の名誉、誇りでしかない。
自分の存在を愛せないぶん、
誰かの心に生きようとする。

類い稀なる才能を持つシラノは、
見た目やていにこだわる貴族階級を風刺し、
その詩や論評は多くの敵を作ってき、
やがて、反感だけを買うようになる。

彼は世界に愛を求め、
世界は、彼の才能だけにしか興味がなかった。

誰の媚も報酬も、望んではいない。
彼の報酬は自由に自分を生きること、と、
自分の言葉たちが人々の心の中で生きていればいい。

まだ言葉は、ちゃんと、ここにあるよ。
耳を傾けると、こだまするシラノの声。

貴族に画策され、徐々に消えていく命。
今わの際にシラノが見たのは、
過去に決着を付けたはずの、
『妥協』や『偏見』や『愚痴』。
数々の亡霊と戦いながら、叫ぶ。

「お前たちは、俺から全て奪おうとする、

 月桂樹の冠も、薔薇の蕾も、すべてくれてやる、

 貴様らが何と言おうが、

 俺があの世へ持っていくものがひとつある、

 皺ひとつ、染みひとつつけまいいまま!

 それは、

 俺の、

 俺の、

 心意気だ!」





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